〜春、山里に訪れる静かな奇跡〜
春の風が山里をやさしくなでる頃、
京都・宮津市の松尾地区では、
一本の桜が静かに咲き始めます。
田植え前の棚田は、まだ土肌を見せ、
その中に立つ桜の姿はどこか凛として、
この地に流れる時間の豊かさを教えてくれます。
花開く音が聞こえてきそうなほどの静けさ。
この桜は、毎年決まったようにこの場所に花を咲かせ、
春の訪れを知らせてくれます。
畔道(あぜみち)を歩くと、
ふと立ち止まりたくなるような風景。
それは、誰にでも懐かしさを感じさせる
日本の原風景そのものです。